
【テナント・美容】美容所開設の許可や届出の流れは?設備や必要書類もまとめて紹介
これから美容所を開設したいと考えている方、「何から始めればいいのか」「どんな設備や書類が必要なのか」と不安や疑問は尽きないものです。美容所開設では、許可申請や設備基準、各種書類の準備など、いくつかの段階をクリアする必要があります。本記事では、開設準備の流れ、必要な設備や書類、手続きのポイントまで分かりやすく解説します。一つずつステップを踏んで、スムーズな開設を目指しましょう。
開設準備の第一歩としての事前相談と流れ全体
美容所を開設する際、まず着工前に管轄の保健所へ「事前相談」を行うことが重要です。図面や設備計画を持参し、構造設備基準や衛生管理上の要件を確認することで、その後の届出や検査がスムーズになります 。
届出の全体の流れは以下のとおりです
事前相談 → 開設届の提出 → 施設検査(構造・設備の確認)→ 確認書(検査確認済証)の交付 → 営業開始、という流れです 。
事前相談で特に確認すべきポイントを一覧にまとめました
| 確認ポイント | 内容 |
|---|---|
| 構造・設備基準 | 床・壁の材質、換気・採光、給湯・消毒設備など |
| 図面の精度 | 平面図の寸法や配置の正確さ、セット面の数など |
| 届出スケジュール | 営業開始予定日から逆算し、提出や検査の日程を余裕を持って設定 |
上記の確認を丁寧に済ませておくことで、届出や検査時に指摘されるリスクを減らし、開設準備を効率的に進めることが可能です。
構造設備基準とは何か、整えるべき設備項目
美容所を開設する際には、構造や設備が公的に定められた基準を満たしている必要があります。これは保健所による施設検査を通じて確認されるもので、安全かつ衛生的な営業を行うための最低条件です。
| 項目 | 基準内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 作業室面積・椅子台数 | 1作業室は13㎡以上。13㎡で最大6台の椅子、1台追加ごとに3㎡追加 | 東京都の基準による |
| 床・腰板 | コンクリート・タイル・リノリューム等の不浸透性材料 | 清掃性を確保 |
| 採光・照明・換気 | 作業面の照度100ルクス以上、換気・採光を十分に | 換気によりCO₂濃度を0.5%以下に保つ |
まず注目すべきは作業室の広さと席数の関係です。東京都では、作業室は13平方メートル以上とし、その範囲で美容用の椅子(シャンプー台含む)は最大6台まで配置可能です。追加する場合は、1台につき3平方メートルを追加する必要があります 。
床材については、コンクリート、タイル、リノリューム、板材などの不浸透性材料を使用し、汚れや水に強く、清潔に保てることが求められます 。加えて、洗場は流水装置である必要があり、衛生的な器具洗いと洗髪のための設備が必須です 。
さらに、採光・照明・換気についても規定があります。美容師が施術する作業面は照度100ルクス以上が必要で、換気に関してはCO₂濃度が0.5%以下となるよう、十分な換気能力を確保する必要があります 。
消毒設備も重要です。消毒用の器具や消毒済み・未消毒の器具を区別して格納できる設備、ふた付きの汚物箱・毛髪箱も必要です 。これらの設備は、保健所に提出する設計図でも明確に示すことで、基準適合を裏付けられます。
要するに、構造設備基準とは、美容所の安全性・衛生性を確保するための施設の最低限の要件です。これを満たすことで、保健所の検査にスムーズに合格し、美容所の開設が可能になります。

届出時に必要な書類とその準備ポイント
美容所を開設する際に、保健所へ提出が求められる主要書類と、それぞれの準備における要点を整理しました。以下の表をご覧ください。
| 書類名 | 内容 | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 開設届(美容所開設届) | 施設情報・開設者情報・構造設備概要などを記載する届出書 | 管轄の保健所提供の所定用紙を使用し、開設予定日の10日前までに提出するのが望ましいです(例:静岡市)。 |
| 構造設備概要・施設平面図 | 施設の構造・設備を図示した平面図や概要書 | 作業場の広さ・区画・手洗い・消毒設備などを、条例に即して明確に記載してください。図面は工事着工前の事前相談時に持参するとよいです(例:福島市、姫路市)。 |
| 付近見取図 | 保健所が施設の位置を把握するための地図や周辺図 | A4またはA3サイズで作成し、周辺の目印や他店舗が同フロアにある場合はフロア図も添付すると親切です(例:姫路市)。 |
これらは基本書類として欠かせないもので、特に図面は要件適合のために重要です。
次に、美容師や開設者に関する書類をご紹介します。
| 書類名 | 内容 | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 従業者名簿 | 店舗で働く全員(見習い含む)の氏名・生年月日を記載する名簿 | 美容師免許証や管理美容師講習会修了証の原本提示が求められるケースが多く、原本を持参してください(例:練馬区)。 |
| 美容師免許証・管理美容師講習修了証 | 従事者の資格を証明する書類 | 美容師全員の免許証原本、2名以上なら管理美容師の講習修了証も必要です(例:姫路市)。 |
| 健康診断書 | 結核、伝染性皮膚疾患の有無を医師が証明した診断書 | 発行日から3ヶ月以内のものを、美容師全員分用意してください(例:練馬区、姫路市)。 |
最後に、法人や外国人の開設者に関して必要な書類と手数料についてまとめます。
| 書類・費用 | 内容 | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 登記事項証明書 | 法人が開設する際の登記情報証明書 | 発行から3~6か月以内の原本提示が必要です(例:練馬区では6か月以内、さいたま市では3か月以内)。 |
| 住民票の写し | 外国人開設者の国籍等を証明する書類 | 国籍等が記載されたもの、発行から6か月以内が望ましいです(例:福島市、姫路市)。 |
| 検査手数料 | 保健所での検査などに要する費用 | 自治体により16,000~17,000円程度です(例:練馬区16,000円、福島市17,000円、さいたま市17,000円)。 |
これらの書類は、開設届提出時に必ず揃えておく必要があります。特に原本提示や有効期限には注意し、早めに準備するようにしましょう。
届出後から開設までの確認と開設後の注意点
美容所を開設するには、保健所への開設届提出後、施設完成の検査を受けて確認書を取得する必要があります。その後、開設後に備えた準備や追加届出の確認などを進めておくことも大切です。
| ステップ | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| ① 施設検査・確認書受領 | 保健所による立入検査を受け、構造設備基準などに適合していることを確認。 | 検査は30分程度、問題なければ「適合確認書」が交付され、店舗内に掲示します。 |
| ② 営業開始のタイミング | 確認書受領後、法律に則って営業開始が可能になります。 | 営業開始の前に消防署などの他法令対応が必要な場合もあるため、漏れなく確認してください。 |
| ③ 開設後の備え | 営業開始後も衛生管理や届出の要否をチェック。 | 従業者変更、設備変更などがあれば速やかに変更届を提出する必要があります。 |
まず、保健所への開設届提出後に、施設が完成した状態で立入検査を受けます。検査時間は大体30分程度で、例えば床の不浸透性、作業室と待合室の区画、消毒設備・換気・照明などがチェックされます。問題がなければ「美容所適合確認書」や「確認済証」が発行され、店舗内の見やすい場所に掲示します。これによって営業が正式に可能となります。
次に、確認書を受領した後に営業を開始するタイミングですが、保健所の検査をクリアした時点で開業が法的に認められます。ただし、自治体によっては消防署による調査や各種法令の遵守も求められるため、事前に確認しておくと安心です。
最後に、開設後の注意点として、営業中に従業者の異動や設備の変更があった場合は変更届の提出が必要です(例えば構造設備の変更や管理美容師の変更など)。遅延なく手続きを行うことで、法令遵守とスムーズな営業継続が可能です。
まとめ
美容所の開設は、事前相談から必要書類の準備、設備基準の確認など多くの工程を一つずつ丁寧に進めることで、スムーズに進行します。事前にしっかり相談し、必要な設備や書類を整えることで、保健所の検査にも安心して臨めます。書類や設備には細かな基準がありますが、落ち着いて準備を進めれば決して難しいものではありません。開設後も追加の手続きがないかなど確認し、万全の体制でお客様を迎えられるよう準備していきましょう。